オール電化とガス併用、どっちにする?それぞれの光熱費やメリットを比較!
2024.06.21 UPDATE
こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
新築時やリフォーム時に、オール電化と電気とガスの併用はどっちを選べば良いか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
どちらにもメリット・デメリットや、家庭によって向いている使い方などがあるため、一概に「どちらが安い」「どちらが良い」ということはいえません。
今回はオール電化とガスについて、それぞれの費用やメリット・デメリット、それぞれに向いている家庭の特徴などを比較してみましょう。
目次
オール電化とガス併用はどっちがお得?それぞれの料金を比較
オール電化とは、生活に関する家電などとともに、お風呂やキッチンなどもすべて電気でまかなう仕組みのことです。
一方、ガスを使う場合は、電子レンジやテレビなどの家電は電気、お風呂や料理にはガスを使うという電気とガスの併用になります。
ガスには都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類があり、それぞれで金額が変わります。
では、各コストを1kWhあたりのエネルギーで比較してみましょう。
【電気】
- 43円32銭(8:00~13:00、18:00〜22:00)
- 50円73銭(13:00〜18:00)
- 26円29銭(22:00~翌8:00)
【ガス】
- 都市ガス:約17円47銭
- プロパンガス:約32円08銭
(2024年6月時点)
※1kWh=860kcalとし、LPガスの発熱量を24,000kcal/m3、都市ガスの発熱量11,000kcal/m3として計算
※電気は北海道電力のeタイム3プラス、都市ガス価格は北海道ガスの一般料金A(6月)、プロパンガス価格はプロパンガス料金消費者協会の平均価格(相場)を参考
※基本料金は除く
オール電化では昼間と夜間で料金が異なるプランが基本で、夜間電力は安価に使えます。
食洗器や洗濯機を夜間に使用することで、電気代を抑えられます。
また、夜間に蓄熱する蓄熱暖房機を使えば、暖房代も節約できます。
ガスボイラーで最も低コストなのは都市ガスですが、都市ガスは都市の中心部のみで展開されており、地域によっては残念ながら選択肢に入れることができません。
オール電化とガス併用のメリット・デメリット
オール電化かガス併用か迷った場合は、費用面だけでなくメリット・デメリットを知っておきましょう。
それぞれの熱源が向いている家庭の特徴についても、参考にお伝えしますね。
オール電化のメリット・デメリット
オール電化のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
【オール電化のメリット】
- 光熱費の料金が一本化されるのでわかりやすい
- 夜間電力は安い
- IHクッキングヒーターはフラットで掃除がしやすい
- 火を使わないため、安全で室内温度も上げにくい
- ソーラーパネルを設置していれば自家消費できる
- 飲用以外であれば停電時もタンク内のお湯が使える
【オール電化のデメリット】
- 初期費用が高い
- 昼間電力が高く、昼に電気を使うことが多いと光熱費が割高
- 停電時はお風呂・キッチン、その他の家電全て使えなくなる
- IHクッキングヒーターで使えない調理器具や調理法がある
- 湯は飲用水には使えない
- お湯切れしてしまう可能性がある
- 長期間家を空ける際にはタンク内の水を抜くなどの作業が必要
- 給湯設備のメンテナンスが必要
停電に弱いのがオール電化。
対策としては、ソーラーパネルがある場合は蓄電池を設置したり、カセットコンロや石油ストーブなど電気不要の設備を整えたりしておくことが挙げられます。
また、オール電化のお湯は安い夜間電力を使用して作られ、温まった状態で電気温水器やエコキュートに長時間貯められます。
安全性に問題はないといわれていますが、お湯を温める過程で塩素が抜けてしまい、飲用としての水質基準を満たせないというのが理由です。
貯めたお湯を使い切ってしまった場合は、沸かすのに時間がかかります。
一方で、家庭でのエネルギーの契約が電気のみなので、光熱費の管理が楽に。
IHクッキングヒーターの掃除のしやすさや火を使わない安全性も人気です。
ガス併用のメリット・デメリット
電気とガスを併用する場合のメリット・デメリットも比較していきましょう。
【ガス併用のメリット】
- 都市ガスの場合は光熱費がお得になることが多い
- ガス給湯器は給湯能力が高く、効率良く湯を沸かすことができる
- 停電になっても調理や湯沸かしが可能
- 電気料金が値上がりした際にガスの使用量を増やし電気代を抑えるなど対策がとれる
【ガス併用のデメリット】
- 電気とガスそれぞれに基本料金がかかる
- プロパンガスの場合は割高となることが多い
- ガスコンロの場合、火災のリスクが高まる
- ガスコンロの場合、長時間使用で室温が高くなる
- ガスコンロの場合、パーツが多く掃除が大変
- オール電化からのガス併用へ切り替えたくなった場合、費用や手間がかかる
ガス併用の場合は、家庭のエネルギーは電気とガスを契約する必要があり、それぞれに基本料金がかかります。
また、IHクッキングヒーターを使うオール電化と比較すると、ガスコンロは火災のリスクが高かったり、掃除が手間などという点がデメリットとして挙げられやすいです。
一方で、料金単価の安い都市ガスと電気の併用であれば、オール電化よりも光熱費を抑えやすいことがメリット。
また、ガス給湯器は瞬間式ですぐにお湯を使えることもメリットとしては大きいでしょう。
また、安全性や掃除などの面がデメリットになりやすいガスコンロですが、IHクッキングヒーターよりも高火力での調理が可能です。
電気とガス併用の場合、ガスには都市ガスとプロパンガスがあります。
メリット・デメリットがあるので、あわせてご紹介しますね。
【都市ガスのメリット】
- 光熱費が安く済む
- 既存のインフラを使う場合は初期費用が抑えられる
- ガス切れの心配がない
【都市ガスのデメリット】
- 使えるエリアが都市の一部に限られている
- ガスの引き込み工事が必要になることがある
- 災害時は復旧に時間がかかることがある
都市ガスは、地下の配管からガスが供給されます。
ガス切れの心配がない一方で、災害等で配管にトラブルが生じると、自宅のガスボンベからガスを供給するプロパンガスよりも復旧が遅くなってしまう可能性があります。
【プロパンガスのメリット】
- 対応エリアが広い
- 災害に強い
【プロパンガスのデメリット】
- 適正価格の見極めが難しい
- 光熱費が高額になりがち
プロパンガスは自由料金制となっており、ガス会社によって価格が変わります。
適正価格をきちんと知らないと、思っているよりも高額な料金になってしまうリスクがあります。
また、ガスは各家庭に配送されるガスボンベから供給されます。
全国どこでも使用でき、災害時も道路が分断されない限りはガスが使えなくなることはありません。
オール電化とガス併用、どっちが向いている?
ここまでオール電化とガス併用の料金やメリット・デメリットを比較してきましたが、それぞれどんな家庭に向いているのか見ていきましょう。
オール電化が向いているのはこんな家庭
- 仕事や学校で昼間にはあまり電気を使わない
- 停電リスクが低い地域に住んでいる
- 暖房をあまり使わない
- とにかく安全に使いたい
- 夏場のキッチンの暑さを和らげたい
- 長期間家を空けることが少ない
IHクッキングヒーターは、ガスコンロに比べて調理中の火災リスクを軽減できます。
ガスコンロ使用で意外と多いのが、洋服の裾や袖に火が燃え移る事故です。
特に高齢の方は、運動機能の低下や視覚機能の低下により、火が燃え移ってしまうケースが多いです。
また、IHクッキングヒーターは、ガラストップ面と調理器具の間にすき間がなく、周りに熱が逃げないためガスに比べて室温を上げにくいのが魅力。
「夏場のキッチンの暑さにもううんざり…」という方にはメリットが大きいでしょう。
電気さえ通っていれば家電・給湯設備のすべて使うことができるため、「台風がほとんど来ない」「台風等で停電になっても1日程度で復旧することが多い」など、停電リスクが低い地域にお住まいの方には向いているといえるでしょう。
なお、オール電化が多く採用されているのは、主に暖房期間が短い地域です。
北海道の場合は、厳冬期は昼間も含めて一日中暖房を使用することがほとんど。
昼間電力が高いオール電化の特徴から考えると、冬場にかかる光熱費の負担が大きくなってしまいがちです。
現在、北海道ではガス化や灯油への切り替えの相談が増えてます。
現に札幌近郊では、新築住宅の9割はガスボイラーである「エコジョーズ」が採用されています。
「オール電化で失敗しないために!北海道でのメリット・デメリットは?」もご参考ください!
ガス併用が向いているのはこんな家庭
- 都市ガス供給エリアに住んでいる
- 暖房期間が長い地域に住んでいる
- 強い火力で作る料理を楽しみたい
- 災害リスクが高い地域に住んでいる
電気とガスの併用にすると、両方に基本料金がかかりますが、料金の安い都市ガス供給エリアにお住まいの方は、トータルで見るとガス併用の方が光熱費を抑えられる可能性があります。
昼間に在宅のことが多い家庭の場合も、昼間電力が高いオール電化に比べるとガス併用の方がお得になるケースが多いでしょう。
ライフスタイルやお住まいの環境に合わせて熱源を検討しましょう。
また、IHクッキングヒーターに比べると火力が強く、料理の幅も広がります。
料理が好きという方は、ガス併用のほうが暮らしを楽しめるのではないでしょうか。
ガスは災害にも強いため、地震や台風などの災害が心配される地域にお住いの方に向いています。
プロパンガスの場合は、各家庭にガスボンベが2本設置してあるため、災害でライフラインが途絶えてもしばらくの間ガスを使うことができます。
都市ガスの場合は導管が損傷してしまうと復旧に時間がかかってしまうのがネックですが、導管は地中深くにあるため、台風や豪雨でも電気や水道に比べて影響が少ないです。
災害時への備えとして、カセットコンロや石油ストーブがあると良いでしょう。
オール電化とガス併用、どっちが良いかわからないときは
初期費用やランニングコスト、生活時間や災害時などさまざまなケースによって、オール電化もガス併用も一長一短。
どちらのパターンも見積もりをとって比較し、メリット・デメリットを踏まえた上で検討すると良いでしょう。
現在お使いの熱源についてお悩みがあれば、設備会社に相談するのもおすすめです!
プロの目線で、どちらがご家庭にとって良い選択か提案をしてくれます。
札幌ニップロでは、暖房・給湯や換気などについてのご相談を承っております。
無料でエネルギー切り替え時の光熱費シミュレーションやお見積もりもできますので、お気軽にお問い合わせください。
近年の電気代の高騰から、オール電化をやめたいというご相談をいただくことも増えています。
オール電化から別の熱源に変更するメリット・デメリットについては、こちらのコラムでもご紹介していますので、ご参考ください。
オール電化をやめたい理由とは?熱源変更のメリット・デメリットも解説
電気代が高い!ボイラー交換やリフォームを検討しているなら、光熱費を試算して選択しよう
オール電化かガス併用か、どっちにするかは暮らしに合わせて選ぼう
オール電化と電気・ガスを併用する方法は、ライフスタイルや暮らし方によってメリットやデメリットが違ってくるので、どちらが良い・悪いとは決められません。
単価で見ると都市ガスが安いですが、基本料金は電気とガスの両方がかかります。
オール電化のメリットは、火を使わないので安全性が高く、日々の掃除が楽になること。
光熱費の料金が一本化されるので管理も楽になり、ソーラーパネルを設置していれば自家消費できるのも嬉しいポイントです。
ただし、初期費用が高く、昼間電力が高いので昼間に家にいることが多い家庭では光熱費が多くかかる可能性も。
災害時に停電が起こると、家電や給湯が全て使えない点もデメリットとして挙げられやすいです。
ガス併用は都市ガスを使えるなら光熱費がお得になることが多く、停電時にも調理や湯沸かしが可能なのがメリットです。
デメリットとしては、電気とガスそれぞれに基本料金がかかること、プロパンガスの場合は割高となることが多いことなどが挙げられます。
オール電化は暖房期間が長くない地域や、昼間にあまり電気を使わない家庭に向いているといえます。
ガス併用は暖房期間が長い地域に住んでいる家庭や、強い火力で作る料理を楽しみたい家庭に向いているでしょう。
お住まいのエリアやライフスタイルによってどちらが適しているかは変わってきます。
大事なライフラインだからこそ、災害時の対応なども考えた上で選べると良いですね。
札幌ニップロでは、札幌での給湯器やボイラーの交換などを承っております!
現在の状況をお伺いし、光熱費シミュレーションを行なった上で、お客様に適したご提案をさせていただきます。
札幌市および近郊エリア (江別、岩見沢、北広島、恵庭、千歳、石狩、小樽など)で設備業者をお探しの方は、お気軽にご相談ください。※その他のエリアのお客様もご相談ください。
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