使わない部屋のパネルヒーターは止めてもいいの?セントラルヒーティングの使い方。
2024.10.20 UPDATE
こんにちは。
暖房設備のプロ、札幌ニップロです。
北海道の戸建てを中心に多く採用されているセントラルヒーティングシステム。
一つの熱源(暖房ボイラー)であたためた暖房用不凍液を、複数のパネルヒーターや床暖房に送り出し、家全体を効率よく温めるシステムで、24時間暖房ともいわれます。
各お部屋のパネルヒーターには、お部屋の上限温度を設定するための「サーモバルブ」という数字の目盛がついた調整ダイヤルがついています。基本的にはあまり数字の差(温度差)を大きくしないようにお使いいただくことを推奨しておりますが、「使わない部屋はとめてもいいのか」という質問をよくいただきます。
目次
使わない部屋のパネルヒーターは止めていい?
パネルヒーターを止める=サーモバルブの数字を0にすることを指しています。
サーモバルブとは、各お部屋のパネルヒーターについている数字がのメモリがついている調整ダイヤルのことです。
使わない部屋でもパネルヒーターは止めない
パネルヒーターを一部の部屋だけ止めてしまうと、お部屋ごとの温度に大きく差が出てしまいます。
全てのお部屋の目盛りを同じにしなければならないというわけではなく、大きな温度差を作らないこと、ゼロにはしないことを推奨しております。
せっかく温めたお部屋の暖気が寒い、使わない部屋にも流れこむため、温めたい部屋の暖房に時間を要したり、部屋ごとの温度差が大きいことで結露の原因になってしまいます。
部屋ごとの温度差が大きいと結露の原因に
結露は発生する場所によって種類が異なりますが、暖房使用によって水蒸気を含んだ暖かい空気が、温度の低い部分に触れることで起きることがあります。
窓ガラスや壁などの目につきやすい場所に発生する結露です。
冬場に発生しやすく、押し入れの中などの見えにくい場所で発生することもあります。
部屋ごとに温度差を作ることで結露の原因になってしまうので、使わない部屋でもサーモバルブの数字になるべく大きな差はつけないことを推奨しています。
結露についてはこちらの記事でもまとめていますので、参考にしてください。
サーモバルブで温度調整をする仕組み
サーモバルブの役割は、その部屋の上限温度を設定すること。
「△△℃までお部屋を暖める」という仕組みではありません。
室温が設定温度以下ですと、ボイラーとパネルヒーターを繋げている暖房用不凍液の通り道は繋がったまま(サーモバルブの弁が開いている状態)になります。つまり、この部品がついていることで室温の上限制御ができることになります。
① 室温が設定温度より低い場合は、弁が開いた状態で、ボイラーが稼働しているときはパネルヒーターに暖かい暖房用温水を流し続ける。
② 室温が設定温度になったら弁が閉じ、温水が流れてくるのを止める。
③ 部屋が冷えたら再び弁を開いて温水を流す
目盛りの数字を調整することで、上記の「室温が設定温度」をどのくらいの温度にするのか設定できます。
パネルヒーターに流す温水(暖房用不凍液)の温度は、ボイラー本体側での設定となりますので、その時の室温に対して出湯温度が低ければここで設定した温度まで上がりきらないこともあります。
温度調整のコツについては、こちらもご参考にして下さい。
セントラルヒーティングを使うときの注意点は?
パネルヒーターは使わない部屋でも止めない
この記事で紹介した内容になります。このほかにも注意してほしい点についてご紹介します。
低温やけどに注意
パネルヒーターでは火を使用していないので火事などの危険はありませんが、パネルヒーターにはボイラーで温めた不凍液が流れています。
高い温度に設定していれば、それだけパネルヒーターに熱い温水が流れているので本体も熱くなります。
長時間ふれていたりすると、低温やけどを起こすことがありますのでご注意下さい。
ペットを飼っている方や、小さなお子様がいる方は、配管カバーの設置などもおすすめです。
こちらの記事でも紹介しています。
家具の置き場所やカーテンの長さに注意
家具の配置によって、暖房効率が落ちたりお部屋が温まらなくなることがあります。
1. 家具などでふさぐように置かない
2. カーテンの長さに注意し、覆わない
3. 熱が発生する電化製品を近くに置かない
サーモバルブが室内の温度を感知できる配置にすることと、輻射熱を遮らない配置というのがポイントです。
こちらで詳しくまとめていますので、是非ご参考にしてください。
セントラルヒーティング使用上の注意点をまとめた動画も参考にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたか?
あまり使用しない部屋だからといって、パネルヒーターのバルブを完全に止めてしまうと、部屋ごとに温度差ができてしまい結露が発生する原因になります。
結露はおうちを傷めるほか、カビやダニの発生原因となり人の身体にも悪影響を与えることもありますので、注意が必要です。
使わない部屋のパネルヒーターは、、全てのお部屋の目盛りを同じにしなければならないというわけではなく、大きな温度差を作らないこと、ゼロにはしないことを推奨しております。
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