ヒートポンプ暖房とは?仕組みや種類、「エコキュート」についても
2023.11.01 UPDATE
こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
光熱費が高騰する昨今。
北海道などの寒冷地では特に冬場の暖房費がかさむため、できるだけ省エネで効率良く部屋を暖めたいですよね。
そこで、近年注目されているのが「ヒートポンプ暖房」です。
ヒートポンプ暖房とは、大気中の熱などを利用して、わずかな電力で多くの熱エネルギーを作り出すことができる、省エネ性能が高い暖房システムのこと。
今回は、ヒートポンプ暖房の仕組みやヒートポンプが利用されている暖房の種類について解説します。
また、ヒートポンプの技術が活用されている給湯器「エコキュート」についてもご紹介します。
目次
ヒートポンプ暖房とは?仕組みについて
ヒートポンプ暖房は、ガスや石油による燃焼方式の暖房に比べ、省エネ効果も高く、CO2排出量を大幅に削減できる環境にやさしい暖房システムとして注目を集めています。
ヒートポンプ暖房の仕組みについて詳しくご紹介します。
ヒートポンプ暖房とは
ヒートポンプ暖房とは、大気中の熱などを暖房の熱エネルギーとして利用し、部屋を暖めるシステムのことです。
ガスや石油、電気などで発熱させるためには多くのエネルギーが必要となります。
一方、ヒートポンプ暖房は熱を作るのではなく、熱を移動させるためだけに電力を消費するため、少ないエネルギーで効率良く暖房を使用できます。
ヒートポンプ暖房は、火を使わないため、二酸化炭素の排出量も大幅に削減でき、地球温暖化防止にも貢献できます。
ヒートポンプの仕組み
実用化されているヒートポンプは、「圧縮式」と「吸収式」に分類できます。
「圧縮式」は、気体を圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がるという性質を活かした仕組みです。
ヒートポンプの中では、熱を運ぶ役割をする二酸化炭素やフロンガスなどの冷媒が圧縮と膨張を繰り返し、温度を上昇・低下させながら熱を循環させています。
ヒートポンプ暖房では、冷媒を膨張させて冷媒の温度が外気より下がったときに空気熱を取り込み、冷媒を圧縮させて温度が上昇したときに熱を放出することにより、空気熱を移動させて暖房に利用しています。
一方「吸収式」は、蒸発、吸収、再生、凝固といったサイクルにより発生する気化熱を利用したヒートポンプで、産業用や地域熱供給(地域全体で使用する空調用の冷水や温水を熱供給プラントで集中して製造し、供給すること)などに利用されています。
従来、寒冷地では、ガスや灯油などのエネルギーを燃焼させる暖房・給湯が主流でした。
しかし、近年では、寒冷地向けの氷点下の環境でも運転可能なヒートポンプが開発されており、北海道でもヒートポンプの技術を利用した暖房が広まってきています。
ヒートポンプ暖房の種類とそれぞれの暖房の特徴について
ヒートポンプが利用されている暖房は、エネルギー効率が良く、光熱費が抑えられる点がメリットです。
どのようなものがあるのか、暖房の種類をご紹介していきます。
セントラルヒーティング
セントラルヒーティングとは、建物の一カ所に熱源装置を設置して、循環パイプで各部屋のパネルヒーターに熱を送り出し、家全体を暖める仕組みの暖房システムです。
熱源装置には電気式やガス式、灯油式などがありますが、ヒートポンプもこの熱源に利用されています。
エアコンやストーブのように一カ所を暖めるのではなく、家全体が均一に暖まるため、各部屋や廊下間の温度差が少なく、ヒートショックの予防も期待できます。
また、火を使わないため、火災や火傷のリスク、不完全燃焼の心配が少なく、安全性が高いことが特徴です。
北海道では新築戸建て住宅の多くがセントラルヒーティングを導入しています。
床暖房
ヒートポンプ式の床暖房は、外気を圧縮して熱を発生させて作り出した温水を床下に設置した配管に循環させて部屋を温めます。
この温水を作る熱源にヒートポンプが利用されています。
他の熱源にはガスや灯油がありますが、火を使わないため安全で、環境にやさしく、光熱費が抑えられるヒートポンプ式温水床暖房がおすすめです。
床暖房は、温かい床から直接伝わる「伝導熱」と、床から放出された熱が部屋全体に広がる「輻射熱」によって、足元から部屋全体を暖めます。
床暖房は熱源を床下に設置するため、設置場所をとることもなく、部屋を広く使うことができる点、フィルター掃除のようなお手入れがほぼ不要な点がメリットです。
エアコン
ヒートポンプの技術が使われている代表的な家電がエアコンです。
暖房の際は、室外の熱を集めて室内に移動させ、循環させることで部屋を暖めます。
反対に、冷房は室内の熱を集めて室外に移動させることで、室内を冷やします。
冬は暖房、夏は冷房として年中使えることがエアコンのメリット。
天井近くの壁に設置することが多いため、子どもやペットがいても安心です。
「エコキュート」はヒートポンプ技術が活用されている給湯器
エコキュートは、ヒートポンプの技術が活用されている貯湯式の高効率給湯器です。
ヒートポンプ技術が活用されているため、従来の電気のみを利用してお湯を沸かす電気温水器と比べて、より少ないエネルギーでお湯を沸かすことができるのが特徴です。
また、夜間の安い電力を使用してお湯を作るので、給湯にかかる電気代を安く抑えることができ、電気料金は電気温水器と比べて3分の1程度に抑えられます。
電気温水器とエコキュートの違いについては、こちらのコラムで詳しくご紹介していますのであわせてご覧ください。
エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットで構成されています。
ヒートポンプユニットで熱交換してお湯を沸かし、貯湯タンクユニットへ戻します。
貯まったお湯は貯湯タンクにて断熱材によってポットのように保温しています。
ヒートポンプでは、空気の熱を受け取り水に熱を伝える「冷媒」が必要となりますが、エコキュートで利用されている冷媒はCO2です。
CO2を使って、エコキュートでは次のように大気と熱をやり取りし、お湯を沸かしています。
- 空気中の熱を冷媒(CO2)に集める
- 熱を取り込んだ冷媒(CO2)を空気熱交換器で圧縮し、さらに高温にする
- 高温になった冷媒(CO2)が水熱交換器へ運ばれ、熱を水に伝えて熱交換し、お湯をつくる
- お湯を貯湯タンクユニットに貯める
- 膨張弁で膨張させ、冷媒(CO2)を低温に戻す
- 再び冷媒(CO2)が空気熱交換器へ運ばれ、1から同じ流れで熱を取り込んでいく
エコキュートの熱源は空気の熱であり、電気は室外機や空気熱交換器などを動かす際にしか使われないため、消費電力を抑えることができます。
札幌ニップロでのエコキュート・ヒートポンプ暖房の導入事例
オール電化の戸建てにお住まいのお客様から、ボイラー交換を検討しているとご相談いただきました。
ご相談時は、暖房は温水暖房システムで電気暖房ボイラー、給湯器は電気温水器が設置されていました。
ランニングコスト等を検討し、オール電化を継続することに。
オール電化のまま、暖房・給湯どちらも省エネタイプの機種に交換しました。
暖房はサンポット製電気暖房ボイラー「EWF-841」からヒートポンプ式冷温水熱源機「AEYC-1044MHX」へ。
給湯はコロナ製の温水器から長府製エコキュート「EHP-3704BX-K」へそれぞれ交換しました。
【ヒートポンプ式暖房へ交換後 室外機】
外に室外機を設置するスペースが必要となります。
【エコキュートへ交換後】
「電気代が高騰しているけど、安全性の高い電化のままが良い」「ランニングコストは抑えたい…」等、電化のままでボイラー交換を行いたいお客様は、省エネタイプの機種、エコキュートやヒートポンプ暖房がおすすめです。
札幌ニップロでは、省エネタイプへの機種変更への相談はもちろん、ガス・灯油への熱源変更も含め、全てのボイラーのお悩みに対応しています。
ご不明点や、オール電化に関するご質問などお気軽にお問い合せください。
ヒートポンプ暖房とは省エネ性能が高い暖房システム!環境にやさしい仕組みを知ろう
ヒートポンプ暖房は、ガスや石油による燃焼方式の暖房に比べ、省エネ効果も高く、CO2排出量を大幅に削減できる環境にやさしい暖房システム。
大気の熱を利用して少ない電気で効率良く部屋を暖めます。
ヒートポンプ暖房は熱を作るのではなく、熱を移動させるためだけに電力を消費するため、少ないエネルギーで効率良く暖房できるのが特徴です。
ヒートポンプの技術が活用されている暖房には、セントラルヒーティング、床暖房、エアコンなど、給湯器にはエコキュートがあります。
エコキュートは高効率で電気使用量を削減し、夜間電力で沸き上げるため、電気代を抑えることも可能です。
熱源の切り替えや給湯・暖房機器の交換・メンテナンスに関するご相談は札幌ニップロでも承っております。
札幌市およびその近郊エリア (江別、岩見沢、北広島、恵庭、千歳、石狩、小樽など)にお住まいの方は、ぜひ一度札幌ニップロにご相談ください!
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