パネルヒーターのメリットやデメリットとは?セントラルヒーティングのプロが解説!
2023.03.20 UPDATE
こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
北海道など寒冷地で採用されることが多いセントラルヒーティング。
各部屋に設置したパネルヒーターや床暖房で家全体を暖めます。
今回はパネルヒーターについて、メリットやデメリットを交えながら詳しく解説!
パネルヒーターの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
セントラルヒーティングとパネルヒーターとは?
セントラルヒーティングとは、建物の1ヶ所に熱源装置(ボイラー)を設置して、各部屋の放熱器に熱を送り出し、家全体を均一に暖める仕組みの暖房システムです。
1つの熱源装置(ボイラー)で家全体を暖められるため、北海道ではセントラルヒーティングが設置されている住宅が多いです。
石油ストーブのように部屋の中で火を使用しないため安全性が高く、お子様がいるご家族でも安心して利用できます。
セントラルヒーティングで各部屋を暖めるために必要なのが「放熱器」です。
放熱器の種類として「パネルヒーター」や「床暖房」があります。
ボイラーで温められた暖房水(不凍液)をパネルヒーターに循環させて家全体を暖めます。
セントラルヒーティングは、主に以下の2つの種類に分けられます。
種類 | 温水式 | 温風式 |
仕組み | ボイラー内で温水を作り出し、各部屋に設置されているパネルヒーターまで循環させて部屋を暖める | ボイラー内で温風を作り出し、ファンヒーターを使って温風を各部屋に送り出して部屋を暖める |
特徴 | 一戸建てなどの大きな住宅でも効率的に暖められる | 小さい部屋などを集中的に暖められる |
多くの家庭で使われている一般的なセントラルヒーティングは、温水式を指します。
温水式は温風式と比較して、熱が冷めにくく、効率的に暖められるのがメリットです。
パネルヒーターのメリットやデメリットを解説
パネルヒーターには、以下のようなメリットやデメリットがあります。
<メリット>
- 家全体を効率良く暖められる
- 火災などの危険性が低い
- 家の中が結露しにくい
- 空気が乾燥しにくい
- デザイン性が高い
<デメリット>
- 掃除の手間が発生する
- 導入費用が高い
- 容易に設置場所を変更できない
- 家具等の置き方に注意する必要がある
それぞれ詳しく解説していきましょう。
メリット①家全体を効率良く暖められる
セントラルヒーティングは、1つの熱源装置(ボイラー)から温水を送り出し、床暖房やパネルヒーターに熱を伝えて家全体を暖める仕組みになっています。
エアコンやストーブのように1ヶ所を暖めるのではなく、家の中を均一に暖めることができるように設計されているため、どこにいても心地良い暖かさで快適に過ごすことができます。
ヒートショック予防にもなり、高齢者がいる家族でも安全に快適に過ごせるでしょう。
メリット②家の中が結露しにくい
例えば、灯油FFストーブは部屋全体を暖めますが、ストーブのない部屋との温度差が大きく、結露が発生しやすくなります。
一方でセントラルヒーティングは、家全体を均一に暖めるよう設計されています。
そのため、家の中での温度差が生まれにくく、結露が発生しづらいのです。
ただし、パネルヒーターには室温の制御ができるサーモバルブ(メモリ)がついており、数値の差を大きくしてしまうと部屋ごとの温度差ができて結露が発生しやすくなります。
部屋ごとの温度差があると、せっかく暖めた空気が寒い部屋に流れ、効率的に暖めることもできなくなってしまいます。
使わない部屋だからとサーモバルブ(メモリ)の数値をゼロにすることは避け、各部屋で温度差を作らないようにしましょう。
セントラルヒーティングの仕組みについて「セントラルヒーティングの仕組みを解説!メリットや効果的な使い方」で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
メリット③火災などの危険性が低い
セントラルヒーティングは、建物の1ヶ所に熱源装置(ボイラー)を設置し、各部屋に温水や温風の熱を送り出し、家全体を暖める仕組みです。
部屋の中でガスや灯油を使わないため、他の暖房器具と比較して安全性が高く、不完全燃焼による一酸化炭素中毒の危険性もありません。
温水温度を高くするとパネルヒーターの表面温度も高くなるので、長時間触れていると低温やけどの可能性もあります。注意しましょう。
また、パネルヒーターの下部にある配管部分も熱くなりやすいので注意が必要です。
弊社では、パネルヒーターの配管カバー(※プルモパネル限定)も取り扱っています。
小さなお子様がいる、室内でペットを飼っている、というような方におすすめです。
メリット④空気が乾燥しにくい
エアコンやファンヒーターなどの風が発生する暖房器具は乾燥しやすいですが、パネルヒーターは輻射熱(ふくしゃねつ)によって部屋全体を暖めるため、ホコリが舞いづらく、空気が乾燥しにくいです。
まったく乾燥しないわけではないので、乾燥が気になるときには加湿器を併用することをおすすめします。
メリット⑤デザイン性が高い
薄型でスリムなパネルヒーターは、インテリアと馴染みやすいのがメリットの1つです。
最近ではデザイン性の高いパネルヒーターもあり、インテリアやデザイン、色にこだわりたいという場合は、設備会社に相談しながら選定することも可能です。
デメリット①掃除の手間が発生する
パネルヒーターは隙間にホコリが溜まりやすいので、定期的な掃除が必要です。
しかし、パネルヒーターの掃除自体はそこまで難しくありません。
表面についたホコリ汚れは、柔らかい乾いた布もしくは固く絞った布で汚れを拭き取りましょう。
パネルヒーターの隙間の掃除は、パネルヒーター用の掃除ブラシを使用すれば簡単です。
掃除方法については「Q&A:パネルヒーター隙間の掃除方法は?」で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。
デメリット②導入費用が高い
セントラルヒーティングは、暖房ボイラーから放熱器の配管工事が必要なため、他の暖房器具(エアコン・ストーブなど)から変更をする場合は大掛かりな工事が必要になるため、導入費用が高くなるのがデメリットです。
デメリット③容易に設置場所を変更できない
パネルヒーターは、設置場所を変更することは可能ですが、工事が必要になるため、簡単には設置場所を変更できません。
デメリット④家具等の置き方に注意する必要がある
パネルヒーターの前にソファなどの大きな家具を置いてしまうと、パネルヒーターからの暖気が遮断され暖房効率が落ちてしまいます。
また、パネルヒーターとカーテンの距離にも注意が必要です。
カーテンでパネルヒーターを覆うと、暖気がガラス面を通して外へ逃げやすくなり、暖気がカーテン内にこもってしまい室温を誤検知する可能性もあります。
パネルヒーターの前に家具を置くときの注意点に関しては「パネルヒーターの前に家具を置くときの3つのポイント。カーテンの長さにも注意。」にて、詳しくご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。
パネルヒーターを効率良く使うコツ
パネルヒーターは、ちょっとした工夫でコストを抑えながら効率良く使うことができます。
具体的には、以下のポイントを意識しましょう。
- 厳冬期は24時間つけっぱなしにする
- 室内温度を高くしすぎない
- パネルヒーターを各部屋の窓際に設置する
「24時間つけっぱなしにするなんて電気代がもったいない」と思う方もいますが、室温が下がり冷えてしまった家全体を暖めるためには大きなエネルギーを使います。
春先、秋口などの日中の温かい時間は、暖房を切ってしまったほうが光熱費を抑えられますが、厳冬期は暖め直すのに時間やエネルギーを使うため、24時間運転を推奨しています。
室内温度を高くしすぎないこともポイントの1つです。
節約のためだけでなく、家全体の室温を高くしすぎないことで、部屋の乾燥を防ぐこともできますよ。
パネルヒーターを窓際に設置する理由は、コールドドラフト現象を避けるためです。
コールドドラフト現象とは、室内で暖められた空気が、窓付近の冷気によって冷やされてしまうこと。
パネルヒーターを窓下に設置することで、窓からの冷気を暖めることができます。
パネルヒーターから異音がしたときの対処法は?
パネルヒーターから「チョロチョロ」「シューシュー」「カラカラ」などの音がするケースがあります。
実はパネルヒーターからの異音は故障ではないことも多く、エア抜きやサーモバルブの調整で改善することもあります。
詳しくは「パネルヒーターから水の音がするけど大丈夫?音がする原因とは?」で解説していますので、修理や交換をする前にぜひ一度チェックしてみてくださいね。
トイレや脱衣所など一部の寒さ対策にはパネルヒーター単独で機能する商品もおすすめ!
メリットが多いパネルヒーターですが、すでに別の暖房機器を使用しているご家庭もあるのではないでしょうか。
別の暖房機器からセントラルヒーティングへの仕様変更は可能ですが、熱源装置(ボイラー)の設置や、温水をパネルヒーターに送るための配管の工事などが必要になります。
トイレや脱衣所など、一部の寒さ対策だけに使用するのであれば、単独で機能する電気パネルヒーターも取り扱っていますので、お悩みに合わせたご提案が可能です。
色やデザインが自由に選べるため、インテリアにこだわりがある方にもおすすめです。
「電気パネルヒーターの光熱費ってどうなの?PSパネル見学会に行ってきた」でもご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
電気パネルヒーターは電気代が気になるという方もいらっしゃるかと思いますが、こちらでご紹介しているPSパネルは一般的な置き型製品と比較しても消費電力が低い製品です。
札幌ニップロでも承っておりますので、ぜひご相談くださいね。
パネルヒーターはメリットやデメリットを理解した上で導入しよう
1つの熱源装置(暖房ボイラー)から各部屋に温水を送り出し、床暖房やパネルヒーターに熱を伝えて家全体を暖める仕組みのセントラルヒーティング。
セントラルヒーティングは、「温水式」と「温風式」の2つの種類に分けられ、多くの家庭では温水式が使われます。
パネルヒーターは、家全体を効率良く暖められる、火災などの危険性が低い、家の中が結露しにくい、空気が乾燥しにくい、デザイン性が高いなどのメリットがあります。
その一方で、掃除の手間が発生する、容易に設置場所を変更できないなどのデメリットも。
パネルヒーターを効率的に使うためには、厳冬期は24時間つけっぱなしにする、室内温度を高くしすぎないなどの工夫もしてみてくださいね。
暖房器具の修理・メンテナンスに関するご相談は札幌ニップロでも承っております。
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