燃料費調整額とは?上限の現状や上限撤廃の影響について解説!

2022.10.15 UPDATE

燃料費調整額の上限撤廃とは?

こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。

 

最近、電気料金の高騰に関するニュースをよく見かけるようになりました。

特にオール電化のご家庭には耳が痛いお話ですよね。

 

新型コロナウイルス感染症からの需要回復やロシアによるウクライナ侵攻など、電気料金が高くなるのには複数の要因がありますが、その1つになっているのが「燃料費調整額」の上昇です。

 

燃料費調整額とは電気代を構成する項目の1つで、その金額は電力会社によって異なります。

最近では上限を撤廃している企業も珍しくなく、電力会社を選ぶ1つの指標になっているともいえるでしょう。

 

そこで今回は、燃料費調整額とは何か、上限の現状や上限撤廃によるオール電化への影響などを交えながら詳しく解説します。

燃料費調整額とは?上限についても解説

「燃料費調整額」とは、電気料金を構成する項目の1つです。

 

燃料費調整額の金額は電力会社によって異なりますが、石炭や石油、天然ガスなどの燃料を調達するコストに応じて変動するため、世界情勢や為替レートが大きく関係しています。

 

しかし、電気料金が限りなく上がってしまうのは困るという方も多いでしょう。

そんな不安を払拭するために定められているのが、燃料費調整額の上限です。

※燃料費調整額の上限については後ほど詳しく解説します

 

そして、上で説明したような燃料コストの変動を電気料金に反映させる制度を「燃料費調整額制度」といいます。

社会情勢をいち早く料金に反映させ、事業者の安定を図ることを目的として1996年に導入されました。

燃料費が上がれば電気代が上がり、反対に燃料費が下がれば電気代も下がるという仕組みです。

 

燃料費調整単価を求める計算式は?

燃料費調整額の「単価」は、どの事業者においても同じ計算式で求めることができます。

まずは燃料費調整単価を計算するうえで必要な言葉の意味を見てみましょう。

  • 燃料費調整単価:燃料1kWhあたりにかかる燃料費調整額
  • 平均燃料価格:貿易統計価格をもとに算出した3ヶ月分の燃料価格の平均値
  • 基準燃料価格:各事業者が国に現在の電気料金を申請した際の燃料価格
  • 基準単価:平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の値

 

これらの数値をもとに、平均燃料価格が基準燃料価格を上回る場合はプラスの調整、下回る場合はマイナスの調整がされます。

それぞれの計算式は以下のとおりです。

 

<平均燃料価格が基準燃料価格を上回る場合>

燃料費調整単価=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1,000

 

<平均燃料価格が基準燃料価格を下回る場合>

燃料費調整単価=(基準燃料価格-平均燃料価格)×基準単価÷1,000

 

電力会社によって基準燃料価格が異なるため、計算結果となる燃料費調整単価や燃料費調整額にも差が出るというわけです。

また、燃料価格調整額が請求されるのは単価が算出された2〜4ヶ月後になります。

 

燃料費調整額の上限の有無は電力会社やプランによって異なる

上でも解説したとおり、燃料費調整額には上限が設定されています。

しかしすべての電力会社や料金プランに上限があるわけではなく、同じ電力会社においても燃料費調整制度の上限があるプランと上限がないプランの両方があるケースも。

 

電力会社の料金プランは、基本的に「規制部門」と「自由化部門」の2種類に分けられます。

 

「規制部門」とは昔から提供されている電気料金プランで、規制部門燃料費調整額のもととなる平均燃料価格に上限が定められています。

平均燃料価格の上限は「基準燃料価格の1.5倍」で求めることができますよ。

どれだけ燃料が高騰しても、上限以上の金額を請求されることはありません。

 

一方の「自由化部門」は電力自由化以降に生まれたプランのことで、規制部門以外のものを指します。

自由化部門のプランについては、必ずしも燃料費調整額の上限を設定する必要がありません。

電力会社やプランによって、上限が設定されているものとされていないものがありますよ。

 

 

燃料費調整額の上限撤廃とは?現状やオール電化への影響

昨今、新型コロナウイルス感染症からの需要回復やロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安などが重なり、電気料金が大幅に高騰しています。

「電気料金が高すぎる」と感じている方も多いのではないでしょうか。

 

実際、2022年10月時点で大手電力会社10社すべてで燃料費調整額は上限に達しており、燃料費調整制度が開始してから初めての事態に各企業が困惑しています。

 

※大手電力会社10社:北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力

 

そんな中、経営基盤や電力の安定供給を維持するため、燃料費調整額の上限の撤廃を発表する電力会社も増えてきています。

例えば東北電力では、長く続いている燃料高騰の状況を受け、2022年11月に燃料費調整額の上限を撤廃し、2022年12月分の電気料金から上限を撤廃した料金を反映することを発表しました。

上限撤廃を決めた背景には、燃料価格の高騰だけでなく、相次ぐ地震による火力発電所への被害と運転停止、またそれによる財務状況の悪化があるとされています。

 

燃料費調整額の上限撤廃によるオール電化家庭への影響や対策は?

多くの電力会社が燃料費調整額の上限撤廃を検討・実施しており、2022年中には沖縄電力を除く大手電力会社9社が上限を撤廃する予定です。

(沖縄電力は現時点では特別措置として上限が設けられたままです)

中でもオール電化のプランで上限が撤廃されるケースが多く、現在オール電化の住宅に住んでいるという方には大きな影響が出るでしょう。

 

オール電化のまま電気料金を抑えるためには、契約メニューの変更や、給湯・暖冷房機器の取り替え、いわゆる「スマート電化への設備リニューアル」がおすすめです。

 

札幌ニップロでは、上記の変更に伴い、札幌市在住の4人家族で1年間で約19万円の電気料金が削減できるという試算も出ております。

具体的には、以下のような変更を想定しています。

  • 給湯器:電気温水器→エコキュートに変更
  • 暖冷房機器:電気ボイラー→空気熱ヒートポンプ温水暖房へ変更
  • 契約メニュー:ご家庭での使用時間(夜間・昼間)や地域に合わせた最適なメニューへ変更
  • 年間の光熱費試算:465,852円→277,330円

 

ただし、これは撤廃前の条件での試算です。

実は撤廃後の条件で同様の変更試算を行うと、【年間の光熱費試算:645,002円→372,395円】となります。

そもそも撤廃後も現状のプランを継続した場合は年間約18万円の光熱費が上がりますし、変更後の金額も撤廃前と比べると約10万円の光熱費が上がる試算になるのです。

 

試算結果はあくまで想定・目安で、今後の燃料費の動向により調整単価は変動しますが、現状の試算だとスマート電化へ設備リニューアルしても、電気代が高騰する分まではまかなえないという結果になります。

この機会に一度、エネルギー源自体を見直してみるのも良いかもしれませんね。

 

ご家庭の生活スタイルによっても電気の使用量や向いている機器は異なりますので、専門業者にご相談いただくと良いでしょう。

札幌ニップロでも暖房設備の提案・設計・メンテナンスを一貫サポートしておりますので、お気軽にお問い合わせください!

 

 

燃料費調整額の上限撤廃で電気料金が高騰!オール電化の場合はプランを見直そう

新型コロナウイルス感染症からの需要回復やロシアによるウクライナ侵攻など、さまざまな要因で高騰する電気料金。

「ここ数年で一気に電気代が高くなったな…」と感じる原因は、燃料費調整額の上昇です。

 

燃料費調整額とは電気代を構成する項目の1つで、その金額は電力会社によって異なります。

多くの電気料金プランでは燃料費調整額に上限が設定されていますが、最近では電力の自動化や燃料費の高騰により、上限を撤廃する企業が増えています。

 

燃料費調整額の上限が撤廃されると、私たちの家庭には大きな影響が出てきます。

特にオール電化の場合、大幅に電気料金が上がるという可能性もあるでしょう。

 

電気代を節約するためには、省エネ性が高い設備の導入を検討しましょう。

利用している家電を「エコキュート」や温水暖房などに変更するだけでも、大きな節約になる可能性もありますよ。

ご家庭によってはエネルギー源そのものを見直してみるのも良いでしょう。

 

札幌ニップロでは電気・ガス・灯油全てのボイラーの点検・修理・交換の他、暖房機能のメンテナンスなどを行っています。

札幌市およびその近郊エリア (江別、岩見沢、北広島、恵庭、千歳、石狩、小樽)対応が可能です。

※その他のエリアにお住いのお客様はご相談ください!

オール電化に関するお悩みや検討なども、ぜひご相談くださいね!

中川原 理(ナカガワラ マコト)

約20年、セントラルヒーティングのメンテナンス業務に携わってきました。お客様の声やお悩み事に対して最善の提案ができるよう日々取り組んでおります。今後もこれまでの経験を活かしてお客様に満足いただけるサービスを心がけ、喜びと安心を提供致します!

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