北海道の暖房の熱源をガス・灯油・電気で比較!特徴や光熱費をチェック
2022.02.20 UPDATE
こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
冬の寒さが厳しい北海道では、暖房代が家計を大きく圧迫します。
少しでもお得な熱源を選んで、光熱費を節約したいとお考えの方もきっと多いはず!
そこで今回は、ガス・灯油・電気をそれぞれ熱源とする暖房器具のメリット・デメリットや、オールガスやオール電化にかかる光熱費を比較していきます。
目次
北海道の暖房の熱源はどれが良い?ガス・灯油・電気で比較!
北海道は、全国の中でもトップクラスで光熱費の支出額が大きい地域。
そして、支出額を大きくしている原因が「暖房代」です。
国土交通省「住宅・建築物のエネルギー消費性能の実態等に関する研究会 第5回配付資料2-1 家庭用エネルギー消費の動向」によると、世帯あたりのエネルギー消費量は関東と比べると北海道は1.7倍。
そのうち半分以上を暖房費が占めています。
しかし、いくら節約したいからといって、暖房を使わずに北海道の冬を過ごすことは難しいでしょう。
そこで重要となるのが「暖房の熱源選び」です!
適切な熱源を選ぶことで、暖かさや便利さを犠牲にしなくても、暖房代や光熱費を抑えることができます。
大切な熱源選びのために、ここではガス・灯油・電気をそれぞれ熱源とする主な暖房器具について、メリット・デメリットをご紹介します。
ガスファンヒーターのメリット・デメリット
北海道では、室外から給気し室外へ排気する「FF式」が主流のガスファンヒーター。
灯油より燃焼エネルギーが大きいガスを熱源とするため、着火に時間がかからず、暖まるスピードも速いのが特徴です。
一度ガス栓につないでしまえば、燃料補給をする必要がないというメリットもあります。
一方で、暖められる範囲はそれほど広くありません。
また、ガスを使用する以上、火災・ガス漏れ・不完全燃焼による一酸化炭素中毒・やけどのリスクがあります。
海外情勢の影響を受けて価格が変動しやすいこともデメリットでしょう。
なお、FF式の場合は排ガスが給排気管を通して室外へ放出されるため、燃焼時の臭いや換気の手間がありません。
その代わり、燃焼時に発生する水蒸気も排ガスと一緒に排出されてしまうため、ポータブル式のような加湿効果は得られなくなります。
【ガスファンヒーターのメリット】
- 暖まるスピードが速い
- 燃料補給の手間がない
【ガスファンヒーターのデメリット】
- 暖められる範囲が狭い
- 火災・ガス漏れ・一酸化炭素中毒・やけどのリスクがある
- 熱源であるガスは価格変動しやすい
- オフシーズンは片付けないと邪魔になる
灯油(石油)ストーブのメリット・デメリット
北海道では古くからなじみのある灯油(石油)ストーブ。
ガスファンヒーターと同じく、すばやく、かつ局所的に部屋を暖めるタイプの暖房器具です。
ただし、着火するには灯油を気化させる必要があるため、ガスファンヒーターよりは温風が出るまでに時間がかかります。
昔は煙突式が主流でしたが、現在はFF式が多いようです。
FF式なら屋外のタンクから自動で灯油が補充されるため、ポータブル式でデメリットとなる「燃料補給の手間」はありません。
なお、FF式の灯油(石油)ストーブには「温風タイプ」と「輻射式」の2種類があります。
一方で、ガスファンヒーターと同様、暖める範囲や火災などのリスク、燃料の価格変動といったデメリットがあります。
加えて、FF式は燃料タンクや屋外と管でつながっているため、設置場所は固定です。
【灯油(石油)ストーブのメリット】
- 比較的暖まるスピードが速い
【灯油(石油)ストーブのデメリット】
- 暖められる範囲が狭い
- 熱源である灯油は価格変動しやすい
エアコンのメリット・デメリット
電気を使うため安全性の高いエアコンは、夏に冷房としても使えます。
また、壁に設置することから場所を取りません。
電気料金も、ガスや灯油に比べると変動しにくいといえます。
しかし、部屋を暖める能力は、ほかの暖房器具にくらべてやや劣ります。
起動するまでに時間がかかりますし、足元や本体から離れた場所は暖まりにくい傾向があります。
また、風で熱を送るため、部屋が乾燥しやすいこともデメリットです。
【エアコンのメリット】
- 火災・ガス漏れ・一酸化炭素中毒・やけどのリスクがない
- 夏は冷房として使える
- 場所を取らない
- 熱源である電気は価格変動しにくい
【エアコンのデメリット】
- 暖まるスピードが遅い
- 暖まる場所にムラがある
- 空気が乾燥しやすい
北海道では「セントラルヒーティング」がメジャー
ここまで熱源の違う3つの暖房器具をご紹介してきましたが、どれも部屋ごとに一台一台設置するタイプの暖房器具です。
しかし、部屋を移動する度に寒い思いをしたり、メンテナンスや片付けを行ったりするのは嫌ですよね。
だからといって全ての部屋に設置すると、初期費用やランニングコストもかさみます。
そこで、効率的な暖房として多くのご家庭で採用されているのが「セントラルヒーティング」。
北海道にある新戸建住宅の約70~80%がセントラルヒーティングを採用しているという情報もあります。
「セントラルヒーティング」とは、1つのボイラーを使って家全体を暖めるシステム。
ボイラーと各部屋の暖房器具をパイプでつなぎ、パイプにボイラーで作った温水を流すことで家中を暖めます。
セントラルヒーティング は一度切ってしまうと「立ち上がるまでに時間がかかる」というデメリットがあるものの、基本は24時間つけっぱなしのため、冬の寒さが厳しい北海道にはぴったりの暖房です。
ただし、ボイラーの熱源にはガス・灯油・電気の3種類があるため、どの熱源を選ぶかによって暖房代が変わってくるので、熱源選びはとても重要です。
続いては、それぞれの熱源でセントラルヒーティングを採用した場合の光熱費について、比較していきますよ。
ガス・灯油・電気の暖房で北海道の光熱費はどう変わる?コストを比較!
給湯・暖房・キッチンの熱源を「ガスのみ」「灯油をメイン」「電気のみ」とした場合の光熱費について、試算の一例を下の表に示しました。
表:オールガス・灯油メイン・オール電化にかかる光熱費の一例
給湯・暖房の設備 | 1年 | 1カ月 | |
オールガス (都市ガス) |
エコジョーズ+IHヒーター | 350,000円 | 約29,167円 |
灯油メイン | 灯油給湯ボイラー+灯油暖房ボイラー+IHヒーター | 410,000円 | 約34,167円 |
オール電化
(従来型) |
電気温水器+電気ボイラー+IHヒーター | 590,000円 | 約49,167円 |
※北海道ガス「1年間の燃料別光熱費比較」を元に作成
※1カ月の光熱費は(年間光熱費)÷12で算出、小数第一位を四捨五入
表を見ると、熱源を「ガスのみ」にしたパターンで、最も光熱費が安くなっています。
一方で、最も光熱費がかかってしまうのが「電気のみ」の場合です。
このことから、北海道では熱源に電気を選ぶより、ガスや灯油を選んだ方が光熱費を抑えられると考えられます。
すでに「オール電化」にしていて光熱費の高さにお悩みなら、ガスや灯油への熱源切替がおすすめです!
熱源切替については「電気代が高い!ボイラー交換やリフォームを検討しているなら、光熱費を試算して選択しよう」で詳しくご紹介していますので、ぜひご参考ください。
ただし「都市ガスの配管が家の近くに来ていない」など、選べるガス種や設置環境によっては、オール電化や電気とガスを併用した方がお得なケースも。
ランニングコストを試算する時は、お住まいのエリアや生活スタイルなどを考慮することが大切です。
オール電化とガス併用については「オール電化とガス併用どっちを選ぶ?費用やメリットデメリットで比較!」で比較を行っていますので、合わせてご覧ください。
ガス・灯油・電気の暖房は災害が起こった際にどうなるかもチェック!
災害が起こった場合に、ガス・灯油・電気の暖房が使えるのかどうかもチェックしておきましょう。
ガスを熱源とする暖房では、使用しているガス種が「都市ガス」か「プロパンガス」かで違ってきます。
都市ガスを燃料とする場合、ガス管が破損してしまうと使うことができません。
一方、プロパンガスの場合はガスボンベから供給するため、停電していなければ使用することができるうえ、災害時でも復興が早いという特徴があります。
一方、電気の供給がストップしてしまった場合、電気を熱源とする暖房だけでなく、ガスファンヒーターやセントラルヒーティングなど、システムの一部に電気を使用する暖房も使えなくなります。
北海道では暖房にガス・灯油・電気のどれを選ぶか比較・検討が大切!
冬の寒さが厳しい北海道では、ガス・灯油・電気のうち、どの熱源を選ぶかが重要となってきます。
今回は、それぞれを熱源とする暖房器具として、ガスファンヒーター、石油ストーブ、エアコンのメリットとデメリットをご紹介しました。
しかし、いずれの暖房器具も部屋ごとに設置しようとすると、手間やコストがかかります。
そのため、北海道ではセントラルヒーティングがメジャーです。
セントラルヒーティングを採用した場合、熱源にはガスか灯油を選ぶと、光熱費を抑えられる可能性があります。
ただし、使用できるガス種や環境によっては、オール電化やガス併用の方がお得な場合も。
エリアやライフスタイルを考慮して、ランニングコストを試算しましょう!
札幌ニップロでは、熱源交換だけでなく暖房器具のメンテナンスも承っております。
戸建て・マンションに関わらず、ぜひお気軽にお問い合わせください!