二酸化炭素濃度の基準って?換気不足による健康被害はないの?自宅で検証してみた!
2022.04.16 UPDATE
今話題の二酸化炭素濃度計を使って、自宅のCO2濃度を測定してみました。
今回のテーマは、24時間換気をとめていたら、どうなるのか??
換気と二酸化炭素濃度の関係性を知りたかったので、測定器を使用してスタッフの自宅で検証します。
また、二酸化炭素濃度や換気が、勉強や作業能率にも影響するらしいので、気になる事を調べてまとめました!
目次
二酸化炭素濃度の基準と換気の関係とは?
外の二酸化炭素濃度は、年々増加傾向にありますがだいたい400ppmくらい。
密閉された室内空間では、人の呼吸によってあっという間に二酸化炭素の濃度が上がっていきます。
そのため、この二酸化炭素の濃度というのは、換気状態を知るひとつの目安と言われています。
建物には、24時間換気システムが設置されているので、正しく使用していれば、二酸化炭素ごと入れ替わるからですね。
24時間換気システムが義務化された背景には、建材や家具などに含まれる有害な化学物質が原因で起こるシックハウス症候群の予防があります。また、自宅についている換気設備が「この家の24時間換気システムだよ」と名乗るには、決められた基準をクリアしている必要があります。
24時間換気を止めたらCO2濃度はどう変わる?
本題の、自宅での二酸化炭素濃度の計測についてですが、リアルタイムに数値が表示されるタイプの測定機器を使いました。
24時間換気をとめていたら、どうなるのか知りたかったから・・・。
私の家は一軒家で、大人二人暮らしです。今回二酸化炭素の濃度を測定したのは、主に長い時間を過ごしているリビングです。
室内のCO2濃度は短時間で変わる
帰ってきてつけてみると、500ppm。
外とあんまり変わらないんだなと思いながら、まずは今回のテーマである24時間換気を止めてみました。
一人で過ごしていると、きづけば700ppmくらいまでは数値が上がっていました。
こんなもんなのかな~と思いつつ、休日は主人が帰ってくるので二人の時に使ってみよう!と思い、次の日も測定しつづけてみることにしました。
人が増えるほど空気がよどむ
大人二人でリビングで過ごしていると、1時間ほどで測定器から警告音が鳴りました。
「1000ppm」の数字。
なぜか二人だとあっという間に数値が上がっていきます。
1000ppmが換気の基準らしいのですが、一旦無視しましたがいよいよ1300ppmまで上がり、息苦しく感じてきたので一旦強制換気をすることにします。
「すぐに空気を入替えたいときは、台所の換気を回すといい!」ときいていたので、レンジフードの換気を「強」にしました。
キッチンの換気はすごく強力だった
レンジフードの換気扇を回してから、2分くらいで1200ppmになりました。
あっという間に100ppmも下がったのです。
更に換気を続けると1100ppm、1000ppm、900ppm・・・とイエローゾーンを脱出。
台所の換気扇はすごく強力で、数分回しただけであっという間に数値が下がりました。
これなら24時間換気回してなくてもいけるんじゃ・・・と思いきや、また30分後くらいに警告音。
その度に換気扇を回して換気して試みましたが、一気に外の空気と入れ替えるから、もちろん寒い。
そりゃそうですよね。そしてめんどくさい・・・。笑
やはり、常に24時間換気は回しているべきなんだと身をもって感じました。
ちなみに、24時間換気を止めてはいけない理由はこれだけではありません。
24時間換気についてはこちらの記事も参考にしてみて下さい。
▶ 24時間換気を止めたらどうなる?気になる影響をまとめてみた。
▶ 24時間換気は寒い?止めちゃダメ?冬に寒さを和らげる方法
CO2濃度が高いと何が起こる?
ここまで、二酸化炭素濃度が換気状態の目安になると説明しましたが、空気自体は何か健康に影響があるのかどうかについて気になりませんか?
私も気になったので、調べてみました。
健康被害は?
CO2は2,000ppm程度であれば有毒性はないそうです。
もし健康被害としてあげるとしたら、濃度が3000ppmを超えると頭痛・めまい・吐き気など、6000ppmを超えると意識を失ってしまう可能性もあります。
ちなみに、この数値は正しく換気設備を使用してる限り、なかなかいかない数字です。
私が1週間ほど使ってみた中で一番大きな数字で1500ppmくらいでしたが、途中で怖くなって結局換気扇を回してしまったからです。
全く換気無しの状態で長時間過ごせば、数値はあがり続けるでしょう。
私の家は二人暮らしなので、家族が多ければもっと、空気環境が悪くなるのが早くなるかもしれません。
もっと多い人数があつまる会社の事務所でも、正しく換気されている環境であれば、室内に数人集まってもなかなかそこまでの数値にはなりませんでした。
ただし、換気設備には汚れた空気が常に通る場所ともいえますから、お手入れを怠ると換気できる空気の量も減っていきます。
作業能率が落ちるって本当?
空気調和・衛生工学会大会の学術講演でも、二酸化炭素と作業能率に関する研究論文が発表されています。
① CO2が600ppm・1500ppm・3500ppmそれぞれの状態
② CO2が600ppmの環境でマスクを着用した場合
上記の環境の中で、タイピング作業を行い、正解入力文字数や誤入力率とCO2濃度の関係について、作業能率の研究結果が記載されていました。
結果として、CO2濃度が高いほど入力できた文字数は少なくなり、
誤入力率は高くなる傾向だという実験結果がでたそうです。
・・・
1)主観評価の結果から、眠気感や倦怠感が作業前後で大きくなる傾向がみられた。
2)タイピング作業の結果では、作業量はCO2濃度が高くなるにつれて減少傾向になり、CO2濃度が執務者の作業性に影響を及ぼしていることが示唆された。
3)作業量とTOI値が関係している可能性があることがわかった。
(教室の学習環境と学習効果に関する研究(第9報)CO2の濃度変化及び温熱環境が作業性と生理心理量に及ぼす影響(2018.9))
簡潔にいうと、室内の二酸化炭素濃度は高いほどミスが多く、効率が悪くなりやすい。
更に驚いたのは、「CO2が3500ppm」の状態よりも、「CO2が600ppmの環境でマスク」の状態のほうが、より悪い結果がでたということです。
新型コロナウイルスの蔓延防止のために、今や世間では外でも中でもマスクをしているのが当たり前の状況になっていますが、早くマスクをしていなくても心配がない世の中に戻ってほしいと願うばかりです。
そして、大人も子供も、勉強や、在宅勤務などおうち時間の過ごし方は様々ですが、換気不足のせいで本来の能力が発揮できないのってもったいなくないですか?
だから、24時間換気は止めないで正しく使ってくださいね!
そして、換気設備は定期的なお手入れをしないと、中でホコリが詰まって必要な換気ができていないケースが多いので、1年以上ノーメンテナンスという方は要注意。必ず設備のお手入れを定期的に行いましょう。
でも寒いから止めたい!っていう気持ちはよく分かります。しかし、換気不足が思いのほか様々な影響を及ぼしていることを思い出してくださいね。
また、寒さ対策に特化した商品もあるので、こちらも参考にしてください。
▶ 換気の寒さ対策に!冬に熱を逃がさないおすすめ換気システムは?
自宅の換気状態を知りたい方へ
換気をつけていても息苦しい、お部屋が匂う、かび臭いなど、思い当たることはありませんか?
また、現在影響は出ていないがメンテナンスを1年以上行っていない方も、一度換気設備の状態を確認されることをおすすめします。
札幌ニップロには、空気を変えるプロがいます。
24時間換気や、トイレ・お風呂などの換気扇、レンジフードの換気など、なんでもご相談下さいね。