24時間換気は寒い?止めちゃダメ?冬に寒さを和らげる方法
2023.02.26 UPDATE
こんにちは!住まいの設備会社 札幌ニップロです。
近年の気密性の高い家の品質や住人の健康を守るためには、24時間換気システム(以下24時間換気と表記)は有効な設備といわれています。
ただ、実際に住んでみると「寒い!」と感じる方も多く、出来れば止めたい…。自分で好きな時だけ換気したい。という声も少なくありません。
しかし、24時間換気は勝手に止めてもよいものではなく、設置し運転し続けなければいけない理由があります。
24時間換気を続ける理由と、運転し続けても寒さを和らげる工夫についてまとめてみました。
目次
24時間換気は止めちゃだめ?寒いと言われる理由とは
まず、24時間換気はなぜ必要なのでしょうか?
24時間換気は2003年の改正建築基準法により、シックハウス対策として義務付けられたものです。
近年の住宅は気密性を上げるために様々な建材が使われていますが、建材から「ホルムアルデヒド」などの化学物質が排出されてしまい、目のかゆみや喉の痛み、ひどい場合は呼吸困難につながると指摘されたことが要因となっています。
2019年現在、使用されている建材には化学物質の元となる接着剤などの含有率が抑えられ、法施行直後よりは安心ではありますが、それでも化学物質に過敏な人にとっては気になる症状が出る可能性があるのです。
十分な換気を計画的に行う必要性は今でも重要視されています。
24時間換気は止めても大丈夫?
24時間換気は空気の対流を計画的に管理し、1時間辺りで建物全体の空気を約半分入れ替えるよう定められています。
そのため、部屋の広さや換気方法によっては部屋が暖まりにくい・冷えやすいと感じる方がいるようです。
ですが、24時間換気は原則止めてはいけません!
トイレやキッチンで一時的に臭いや煙を排出するために使用する「局所換気」と違い、24時間換気は空気に汚染物質が混ざらないように換気をしています。
そのため、24時間換気は火事などの緊急事態で換気によって延焼、事態の悪化が危ぶまれる場合や換気口の清掃以外では止めてはいけない、と考えられています。
24時間換気を止めると結露の原因にもなります。
24時間換気の換気システムは3種類!なぜ寒く感じるか
24時間換気には3つの換気方法があり、どの方法を選ぶかで空気の循環方法や暖かさの保持に差が出ます。
第一種換気
排気側と給気側の双方に送風機を設置し、計画的に換気を行う方法。
一番安定して換気ができ、空気だけ入れ替えて熱はそのまま残すことができる「熱交換システム」も快適です。
維持費や導入費用がかさむのがネックですが、冬は暖かく夏は涼しいので冷暖房費の節約に繋がります。
第二種換気
給気側に器具を設置し、強制的に取り入れた空気を自然排気する方法です。
給気が器具によって行われるため、汚染の少ない空気を取り込むことができます。
給気口の近くは外気温に近いため、寒いという特徴があります。
しかし、衛生面から見ても非常に優れた設備で、食品工場や病院などでも取り入れられています。
第三種換気
給気側からは自然給気し、排気側に器具を設置して強制的に排気する方法です。
最近の高気密なマンションなどではこの方法が主流となっています。
第二種換気と比較し、結露などを防止できるのが利点といえます。
熱交換システムがないため外気温が室内に入ってくるのと、給気口の近くが寒く感じる場合があります。
ただし、設置費用は比較的廉価といえるでしょう。
寒い冬、24時間換気をつけたままでも暖かく過ごす対策は?
24時間換気は「基本的に止めてはいけない」というのはお分かりいただけたと思いますが、それでも寒い!という気持ちは少しでも抑えたいところですよね。
24時間換気で寒いと感じる原因の多くは、冷たい空気が外から入ってきてしまうから。
適切な換気量が保てられれば、それほど寒さを感じることなく生活も可能です!
換気口を定期的に清掃する
換気口がふさがれていた方が空気の対流が抑えられそうな気もしますが、適切な換気が行われないばかりか、空気の流れがよどみ、かえって建物や健康に被害が出てしまう可能性も。
適切な換気量が分かれば、その具体的な対策も自ずと見えてきます。
まずは適切な換気を行えるよう、換気口付近は定期的に清掃しましょう。
清掃のタイミングは導入している換気システムによって異なりますので、説明書などで確認してくださいね。
また、清掃のタイミングとは関係なく、月に一度は汚れの状態を点検しましょう。
換気口に専用のフィルターを付ける
比較的小さな居室のマンションでは、トイレや浴室などの局所換気に排気型換気扇がついているタイプが多いのです。
そんな時は、換気口専用のフィルターが市販されていますので検討してみましょう。
取り付けるだけで埃やごみなどの侵入を軽減でき、掃除も簡単になるのでオススメです。
ただし、フィルターを設置した場合は排気量が下がることに注意です。
フィルターにはごみがたまりやすいので、定期的なメンテナンスも忘れずに行いましょう。
適度な湿度をキープする
24時間換気では、高気密の住宅の空気を計画的に換気しますが、特に冬期間は部屋の空気が乾燥しがちになります。
結露対策やカビ防止にはありがたい乾燥も、部屋の空気の暖かさ維持の面からは敵となってしまいます。
45%~60%が冬の環境としては喉を痛めることもなく、適切な体温管理ができる湿度と言われています。
あまりにも乾燥している場合は、加湿器の導入を検討しましょう。
サーキュレーターやシーリングファンを活用する
24時間換気の排気口は、一般的に天井付近に設置されています。
そのため、せっかく暖まった空気が早めに室外に出てしまうのは免れません。
シーリングファンなどをうまく使い温まった暖気を対流させて、しっかり暖気が届くように工夫するのが近道です。
遮熱カーテンに変える
窓が大きい家などでは「せっかく暖まった空気が窓に触れることで冷え、結果寒い…」ということもあります。
遮熱カーテン(窓で熱が冷めるのを防ぐカーテン)に変えることで、暖まった空気が冷えるのをある程度防ぐこともできますよ。
暖房設備を適切に使用したうえで、排気口以外からの熱の流出を防ぐ工夫も一つの方法です。
寒さ対策に特化した換気設備の導入
24時間換気の寒さ対策に注目した商品も取り扱っております。
換気システムを丸ごと見直す、となるとかなりの費用や工事期間がかかります。
そこで、当社では「ダクトレス換気」システムの取扱も行っています。
詳細はこちらの記事をご確認下さい。
寒いと感じがちな24時間換気ですが、メリットもたくさん!
24時間換気は空気の入れ替えに伴って化学物質も排出することが目的ですが、その結果こんなメリットもあるのはご存知でしょうか?
カビや結露が出にくい
高気密の住宅では結露が出やすいのがネックとなります。
体や調理、浴室などから出る水蒸気も排出する24時間換気では、結露の発生を抑え、またカビによる二次被害を防ぐメリットがあります。
給気される空気の質をコントロールできる
第一種・第二種換気では、給気口にフィルター等を用いて、よりクリーンな空気のみを取り入れることが可能です。
花粉症などが気になる人にはうれしい機能といえますね。
第三種換気なら騒音やホコリの舞い散りも気にならない
第三種換気なら排出モーターは小さなもので対応できます。
空気の流れによるホコリの舞い散りも気にならず、衛生的ですよ。
24時間換気が寒いのは、工夫次第で改善可能です!
寒い、電気代がかさむとデメリットが注目されがちな24時間換気ですが、実はその恩恵にあやかっている部分も多いのが事実です。
もちろん強制的に換気するので、そのままでは冷気による影響はあるかもしれませんが、フィルターを使用する・湿度や温度を管理するなどといった工夫次第でデメリットがメリットにつながったりもします。
北海道の冬に多いカビや結露はもちろん、花粉の流入だって軽減できる24時間換気。
ぜひうまく活用してくださいね!
住宅の空気や換気に関するご相談はニップロにおまかせください!
戸建住宅だけでなく、マンションやアパートの換気のお悩みにも対応しています。
24時間換気設備の状態や必要なお手入れのコツや頻度の目安、今の換気状態などのアドバイスも行っています。
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